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白内障とQOL
 生活の質(Quality of Life、以下QOL)は、人生における内容の質や社会的な生活の質、幸福の指標とされ、疾病によりしばしば低下します。白内障もこのQOLを低下させる可能性があります。白内障は、進行すると視力やコントラストという、見ているものの明暗差、動体視力、視野の感度などが低下し、強いまぶしさを感じたり、物が二重・三重に見えることもあったりします。その結果、読書や仕事などの日常行動に支障がでることで、QOLが低下します。このように白内障が進行して日常行動に支障をきたしている場合にはQOLの低下を自覚しやすいですが、実際には白内障は徐々に進行してその視環境に慣れてしまっているケースがあり、その場合は特に注意が必要です。たとえば、白内障のある方は、白内障のない方と比べて、交通事故リスクが2.5倍に増加するといわれています。白内障の手術を受ける直前にとられたアンケートによると、見えにくさが原因で自動車の運転をやめた方は全体の約4%、自動車の運転を難しいと感じる割合は全体の約3%とされ、運転行動において視機能低下は自覚しにくいことがわかります。その結果、複数の交通事故を起こしている例も報告されています。また、転倒にも注意が必要です。米国の調査ではありますが、65歳以上の方において1年間の転倒経験率は約40%とされ、死亡者は約21,700人、怪我人は2,300,000人にのぼります。すべての事故が視覚によるものとはいえないと思いますが、両眼白内障時には転倒リスクは1.8倍とされ、少なからず関与していると予想されます。その他にも、歩行速度や読書速度、睡眠の質の低下が報告されており、気づかないうちに生産性を低下させている可能性があります。
 このように白内障は、QOLを低下させる可能性があると述べてきましたが、逆に考えると白内障の予防や進行抑制、白内障治療は大きな価値をもつことがわかります。白内障の罹患率は、60歳代で約7割、80歳代でほぼ100%と報告されており、決して他人事ではありません。よりよい視機能を得るニーズや、見ることの多様性が高まっている現代において、白内障に関心を持つことは、よりよく生きるためのキーポイントといえるのではないでしょうか。
白内障と日常における危険性
 
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